2022年12月17日

「共感のデザイン」開催レポート

レポート

11月15日(火)に「共感のデザイン」の講義とグループセッションをオンラインで実施しました。

今回は、パーパスに基づくビジネスミッションを設計するストーリー構造を学んだ上で、ステークホルダーにどのようにビジネスアイデアを伝え、共感を得るかを考えていきます。

最初に「Multiscalar Model(マルチスカラーモデル)」を用いて、現在の課題に対して自分達のビジネスアイデアが展開し広がった時に、地球規模・国・都市・地域・個人レベルにおいてどんなインパクトを及ぼすのかを考察しました。

 

「マルチスカラーモデル」は、バルセロナにあるファブラボ*が「Fab City(ファブシティ)構想」の実践と開発を重ね、今日の社会において表面化されていない小さな兆しや問題・課題をキャッチし、「スモールスケールの介入」を繰り返しながら、地域の問題を解決し、より豊かな暮らしを実現するためのツールとして使用しています。

*ファブラボとは、3Dプリンター、3Dスキャナー、レーザーカッターなどのデジタル機器の工作ツールを備えた、市民のための地域工房の名称

Fab Cityのコンセプトは、「製造のリ・ローカライズ」。地球規模にまで拡大した生産/消費モデル(PITO ”Product in / Trash out”)ではなく、食・エネルギー・モノの製造拠点を消費者の拠点に近づけながらも、新しいアイデアやテクノロジーは地球規模でやりとりをするモデル(DIDO ”Data in / Data out”)を掲げています。

ファブシティは、地域内の素材と世界中のデジタルデータを元にしたものづくりを通して、2054年までに域内での自給自足50%達成を目指しています。

 

この「マルチスカラーモデル」使用して、現時点での自分達のアイデアが、「地球環境や社会の変化に合わせて具体的にどのように貢献できるのか」、「何を・いつまでに・どのくらい」変えていくことができるのか、「具体的にどのようななインパクトが与えれるのか」を当てはめていきます。

グループワークを終えたチームからは、

「廃棄されてしまう海洋資源をデータ化することで、水産資源を保全し、環境課題解決に繋げられないか」

「文化的な建築物と共に歴史的な文脈までも風化してしまう危機に直面する中、次世代へ価値を引き継ぐため、文化資源継承のプラットフォームを創り出したい」

「都市のスポンジ化が進む中で、路線バスやコミュニティバスを通じて培ってきた地域の人々とのコミュニケーションを通じて、郊外を新たな形に変えていけないか」

「市民主導で市民のための暮らしを企てられないか」

「行政と手を結びタクティカル・アーバニズムウィークを作り出せないか」

など、持続可能で社会的インパクトを与えるアイデアが出てきました。

事業アイデアを整理するとともに、改めて考えさせられることは、「未来において厄介な問題となりうるであろう課題に対して、誰が一番困っているのか」です。これまで自社の棚卸しからステークホルダーの洗い出しをしてきた5チームですが、ここで再び重要なステークホルダーは誰なのかという問いに向き合います。

 

ディレクターの田村からは、「まずは、現実的に始められるところから小さな一歩を踏み出してみよう」「机上の空論だけでなく、現場を調査してみよう」などのアドバイスがありました。

続いて、アイデアをよりわかりやすく共有するために、ビジネスアイデアのストーリーを8コマ漫画でアウトプットしました。

「まず主人公を設定し、その主人公が何をきっかけに、どんなことを望んでいるか」という起承転結の起から構成を考え、承では「主人公が乗り越えようと決める、または乗り越えるきっかけとなった時」、転では「壁を乗り越える具体的な出来事」、結で「壁をどう乗り越えてどのような希望を叶え、成長が得られたのか」を描くことでストーリーを収束させていきます。

パーパスを基点としたビジネスアイデアは、社会や地球規模の課題と向き合う壮大なテーマとなることが多く、自社だけの力では達成し得ません。そのため、パッションやパーパスに共感してくれる周囲の力を借りることが必要不可欠となってきます。

8コマ漫画を描くことで、チームのパッション・パーパスを貫く一連のストーリーを可視化した5チーム。共感を得たい仲間とは誰なのかを見つめ直し、チームが目指す未来へ共に向き合ってもらうためのストーリー構成の重要性を改めて実感したようです。

次回は神戸発表会です。これまで約4ヶ月間の講義と実習を得て積み重ねてきた5チームの成果がいよいよ発表されます!

 

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