2022年10月21日

「ビジネスエコロジーの探索 Day1 」開催レポート

レポート

10月1日(土)-2日(日)の2日間に渡り、「ビジネスエコロジーの探索」を合宿形式で行いました。

1日目は、神戸情報大学院大学(以下、KIC)の視察からスタート。
学長代理である福岡賢二氏に、情報通信技術(ICT)による社会課題解決にむけた教育に力をいれているKICの取り組みについて、また福岡氏が手がける途上国でのドローンビジネス展開や未踏空間の開拓・居住空間の革新などのスタートアップビジネスについて講義をしていただきました。

2013年にABE(アフリカの若者のための産業人材育成)イニシアティブが発表されたことをきっかけに、JICAと連携してアフリカ33カ国から170名もの留学生を受け入れてきたKIC。その中でも特にルワンダはICT育成に熱心でICTインフラ整備も精力的に行っているため、KICはルワンダと提携し、留学生の受け入れを積極的に行い、現地でも多くの学生に学びの機会を与えるメカニズムを作りあげています。

続いて、アフリカのルワンダからの留学生であるRemyさんに、母国の紹介をはじめ、ご自身の研究について発表いただきました。
KICで学んだ後はルワンダで社会問題となっている交通渋滞の問題を、テクノロジーを活用して解決したいと、ルワンダの課題解決につながる研究への想いをお話いただきました。

KIC視察後は、合宿先の北野プラザ六甲荘へ向かい、チームワークを進めていきます。

前回の「未来洞察」を通して、10年後の社会・経済・文化環境を探索し、パーパスを見直した5チーム。今回の「ビジネスエコロジーの探索」では、自社にとって重要なステークホルダーを再定義し、より良い社会・未来を形成するために再設定したパーパスに基づいてどのような価値を実現していくのか改めて探索していきます。

 

「ビジネスエコロジー」とはビジネスモデルやサービスモデルではなく、さまざまなステークホルダーと共に循環する仕組みです。

例えば、エングローブの第1期生、マルヤ靴店さんのアイデアを挙げてみましょう。

日本でもトップクラスの革靴やケミカルシューズ(サンダル)の生産量を誇る神戸は、靴の町としての歴史がありますが、昨今、循環型経済化が強く求められるファッション産業において、靴は最も循環させることが難しいと言われています。そこでマルヤ靴店は、使用済みの靴を回収して、パーツ交換が可能な靴を設計し、再利用する仕組みを目指しています。環境負荷が高いと言われている靴の素材を循環させる仕組み、「神戸サイクルシューズ」を考案しました。

 

食品メーカチームでは、「変換」というキーワードのもと、時間軸や形状、対象、伝統など様々な変換をパーパスと定義しました。今まで食べなかったもの(昆虫など)を食べるようになる、未利用魚の価値を高める、といった価値や、対象を変換する可能性を探ってみたり、作る行程自体を変換できないか、と視野を広げて探索し、未利用魚はなぜ価値が低いのか、漁業からの時間経過などその背景課題も話し合いました。

 

「企業資産が豊富な会社ではそれらを活かした価値を考えてしまいがちですが、従来とは異なる新たなステークホルダーとの関わりを通じて実現する価値を考えると視点が広がる」と、ディレクターの田村はいいます。ステークホルダーは人でなくてもかまいません。伝統文化というキーワードのもと、「お正月」といった行事などもステークホルダーになり得るのです。

メンターの鳥居氏からは、「ESGの枠組みで考えると、社会という大きな主語になり、より多くの人のためになるアイデアを考えなければならないという強迫観念に迫られることがあるが、自分達の領域をきちんと作ることが大切」というアドバイスもいただきました。

 

 

5名のメンターから視座の広がるアドバイスを受けた各チーム。拡散と凝縮の思考を繰り返しながら1日目のワークを終え、2日目も引き続きビジネスエコロジーを深掘りしていきます。

 

写真撮影: Life Journey株式会社

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