2022年9月26日
「パーパスの設定」開催レポート
レポート
9月10日(土)、オンラインでの講義とグループワークを踏まえて、「パーパス(社会的存在意義)設定」と「マテリアリティ(重要課題)探索」を行いました。
プロジェクト・エングローブでは、自分達がどうするかだけでなく、「ステークホルダー」と共にどんな社会・世界を作りたいかという「パーパス」を起点として会社がやりたいことや実現したいことをストーリーとして伝え、実現に向けて取り組んでいきます。パーパスを決めるプロセスは、自社のあり方を改めて深く探索するきっかけとなりました。
パーパス(社会的な存在意義)を考える上で重視する”Why”
株主市場だけでは格差拡大や雇用不安、気候変動など昨今の複雑な問題を解決できない中、「企業は何のために存在するのか」「社会においてどのような責任を果たすのか」というパーパスが大切にされ始めています。多くのビジネスは”How”と”What”にリソースを割きますが、「なぜそれを行うのか」という”Why”から物事を始めることで、より社会性を考える問いを深めていくことができます。
「自社の探索」と「社会の探索」からパーパスを導き出す
パーパスを規定するため、「自社の探索」と「社会の探索」を各チームに分かれて書き出しました。「自社の探索」では、創業の精神や創業者の言葉など組織の起源から掘り起こした「歴史的資産」、社内メンバーだけでは気づきにくいクリエイティブ・パートナーの外部視点で明らかになる「強み・競争優位性」、組織が重要な局面においてどんなことに重視して意思決定をしてきたかに現れる「大切にしている価値観」を抽出します。
「社会の探索」では、自社の周辺で今起こっている社会の変化と、将来大きなインパクトになりそうな兆しを捉えます。気候変動やダイバーシティ、飢餓など多くの社会課題が山積する中で、具体性を持って兆しを捉え、長期的な視点で考えることが求められます。
各チームは「自社」と「社会」のキーワードを統合し導き出したパーパスのコンセプトを整理し、利他なコミュニティの創出や、業界の持続可能性に貢献する、年代や人種を超えた食のバリアフリーを実現する、というように、会社の目的や意義を明文化しました。
このプロセスの中でも、なぜパーパスが必要なのか?という参加者からの疑問や戸惑いに、市場が混沌とした今の社会を調整できなくなった背景を考えながら、その必要性を再認識して進めていきます。
「マテリアリティ(重要課題)の探索」とは
後半は、事業を進め、パーパスを追求していく上で、自分達がどんな課題に向き合っていくのかを可視化するための
1.ステークホルダーのマテリアリティ(重要課題)と自社のマテリアリティの書き出し、
2.社会との価値共創-持続的成長のための経営における課題「マテリアリティ・マトリックス」の作成を行いました。
自社への影響とステークホルダーの関心度を踏まえ作成する「マテリアリティ・マトリックス」では、多くのチームが「自社にとってのステークホルダーとは誰なのか?」の問いに戸惑い、課題の難しさを痛感します。多様なステークホルダーを抱える企業にとってはより複雑であり、決断を必要とするからです。
自分達にとって重要なステークホルダーは必ずしも顧客ではないかもしれない、との田村からのアドバイスを踏まえ、長期間にわたって取り引きをしてきた大口顧客のみならず、これまで意識してこなかったコミュニティも含めて見つめ出し、改めてマテリアリティと向き合いました。
次回は9/23(金)に、不確実な未来において新たな事の可能性を見出すための「未来洞察」を行います。事前課題の10年後の社会・経済を想像した上で必要となるスキルはなにか?引き続き考察していきます。今後の展開が楽しみです!