2022年1月27日

オープンゼミ 実践編第4回レポート 株式会社ハンナ「社員革命による成長戦略-人材から人財へ-」

レポート

2022年1月12日(水)に、120WORKPLACE KOBE(同時オンライン配信)にて、オープンゼミ「サステナブル経営実践編④」を開催しました。ゲスト講師は、奈良県奈良市の運送会社、株式会社ハンナの代表取締役社長、下村由加里さん。ハンナはグリーン経営、ISO39001 (道路交通安全)認証、健康経営優良法人2021ブライト500認定のトラック運送業。社員全員が『お客様の価値向上に貢献する』ことを念頭に、自ら考え行動しているといいます。オープンゼミでは、このような人財を育成する『社員革命』について、下村社長より詳しくお話しいただきました。

◎人にフォーカスした経営

代表取締役社長 下村氏の講演の様子

株式会社ハンナの「社員革命」とは、個のヒューマンパワーを最大化し、これから起こりうる変化に対応できる人財を育成することと定義されています。社員一人ひとりの個性を引き出し、タレント力として価値づけていくことに重きを置いています。そのためには、経営陣に多様な人材の個性を見つけることが求められるばかりでなく、社員自身にも個性を価値に変えるべく努力をし、プロ意識を持つことが求められます。入社後は短いスパンで4回面談し、社員が常に向上心を持てるよう対話を重ねながら、仕事の技術を高め、個性を伸ばしていくのだそうです。

下村社長がこのように人にフォーカスした経営を推進するのは、先代であるお父様の影響だそうです。重労働でハードといわれるこの業界において、持続的かつ健康的に運送業を続けられるのは、一緒に車を走らせる仲間がいてのこと。人を大切にしなければ運送業は続けられないとお父様は常々口にしていたそうです。そのような価値観のもとで育った下村社長は、時代に合わせて方針をアップデートしながら、人を大切にし、育てる経営を続けていらっしゃいます。

◎持続可能な経営の礎は日々の風土作りから

代表取締役社長 下村氏の講演の様子

多様な社員の個性をさらに伸ばしていく方針を持ちながら、チームとしてどのように一丸となって日々の事業を進めているのか?秘訣を一言で言えば、「してはいけないこと」の明確化でした。下村社長いわく「何がいいかは一言でいいにくい。でもダメなことはわかりやすいし、あわせやすい」のです。そこで、ハンナでは、無事故・無違反といった当たり前のことを当たり前に守ることを重視しているそうです。道徳的価値観を揃えることは、チームビルディングの要です。この改革の結果、社員のモラルは向上し、彼らが生き生きと働く様子を見て、また応募者が増えるという好循環が生まれています。 

◎健康経営

もう一つ、ハンナで重視しているのは健康経営。毎月、個人の健康目標を張り出し、自分だけではやりきれない目標も仲間の目の中で育てながら、健康を意識した生活を心がけているのだそうです。社員が育児に参画できるようにする「イクボス宣言」も出し、組織が一体となって社員が働きやすい環境整備を行なってきたといいます。下村社長は「健康経営は人として当たり前。自分自身のみならず会社の健康、日本という国の健康につながる」とお話しされました。

代表取締役社長 下村氏の講演の様子

 下村社長はとても快活でエネルギーに満ちた女性です。60分のレクチャー時間はあっという間にすぎ、会場からもオンラインからも質疑が活発に行われました。多様な人財の活用に関する質問には、「社員本人が仕事を楽しいと感じているか?運送スタッフは事務所に帰ってきたいと思えるか?事務スタッフは運送スタッフにおかえりといってあげたい気持ちになれるか?役割は様々であっても、社員の足並みが揃って、お互いによい距離感で仕事ができないとイノベーションは起きない」と力強く語ってくださいました。人材不足の時代においても200名を超える応募がある株式会社ハンナ。ここで働きたい、ここに仕事を任せたいと思える人たちが多くいる理由がよくわかるレクチャーでした。

当日の講演は以下のYoutubeチャンネルにも公開しておりますので、ぜひご覧ください。

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