2021年12月27日
フロンティアラボ 第九回「神戸発表会」開催レポート
レポート
12月17日、アンカー神戸にて、エングローブの神戸発表会を開催しました。8月24日にスタートしたフロンティアラボ。メンターの助言を受けながら、チームメンバーと走り抜けた4ヶ月の成果を初めて発表する場です。
◎5つの企業の発表
トップバッターは有限会社ジョイコーノチーム。このチームは、アートの力で老いを味方にし、誰もが彩り豊かに生きられる社会を構想しました。短い準備期間にもかかわらず、インタビューやリサーチを通して思考を深め、高いクオリティで作り込まれた映像やイラストをふんだんに活用し、聴く人たちの心を揺さぶるプレゼンテーションを成し遂げました。続いてはスペシャルティコーヒーショップのアルタレーナチーム。まずは、環境の変化によって今のようにはコーヒーが飲めなくなる2050年のディストピアを提示。そのうえで、生産も消費も隔てないコーヒー文化を構想していることを発表しました。目の前の一杯を味わい、そのコーヒーの奥に広がるコーヒーの生産環境やサプライチェーンを知ることから始めて、環境を意識したアクションにつなげるためのアイディアを引き続き構想中です。
次はセンサーやコントローラーの設計・開発を手掛ける旭光電機チーム。このチームは、「感じて伝える力を、社会のちからに」をパーパスとして設定し、センサーで個人の行動がどのように地球環境の向上につながるのかを可視化するアイディアを発表しました。これまで主に企業に求められてきた二酸化炭素排出量削減に関して、個人もリアリティを感じながら貢献できる仕組みです。日本テクノロジーソリューションチームの発表は、「最近ワクワクしていますか?」というドキッとさせるフレーズから開始。自分の殻に閉じこもってモヤモヤしている人が、生き生きと活動できるプラットフォームを作る構想を発表。趣味や嗜好で繋がった人々の熱量と行動力で、地球環境レベルにまで至る課題を解決しようという熱血アイディアです。そして最後に発表したのは神戸の本町で100年続くマルヤ靴店チーム。「捨てない暮らし」を足元から実現すべく、完全循環型の靴の製作と、そのサプライチェーン作りに神戸から挑むという構想でした。
◎メンター陣からのコメント
メンターからは「課題設定とその解答をもっと精度良く合わせる必要があるのでは?」というコメントや、「参加してもらうための一歩目をもっと具体的に設定したほうがいい」、「せっかく神戸市の事業なのだから、神戸市としっかり連携して広げていくことを検討してみては?」というコメントなどが出されました。また、プロジェクト・エングローブが他の事業開発プロジェクトと大きく異なる点として、ディレクターの田村は次のようにコメントしました。「今回、どのチームも大きなビジョンを描いてきていて、いわゆるビジネスモデルを出してこなかった。結果、どうやったら持続可能になるのかについて、メンターや他チームの人がどんどんアイディアをくれた。」このコメントに呼応する形で、メンターの内田さんも「これまでは、事業を考える場をビジネスモデルだけでどうにかしようとしていたけれど、社会を作るってそういうことじゃないよねって思いました。そういう意味で、今日の発表会はいい段階だったかもしれない」とコメントされました。
来月、1月16日には東京でエングローブ発表会が行われます。神戸発表会からおよそ1ヶ月。さらにブラッシュアップしたアイディアをひっさげて、各チーム東京に向かいます。東京発表会はオンライン配信もございます。アイディアの詳細のみならずチームの熱い思いにも触れていただきたいと思います。ぜひご参加ください。
撮影:Life Journey Inc.