2021年9月2日

オープンゼミ基礎 第一回開催レポート サステナブル経営 マネジメント編

レポート

 

8月19日、オープンゼミ「サステナブル経営基礎編」①のオンライン講座が行われました。初回のテーマは「マネジメント」。中小企業診断士チーム「いろどりのやま」から太田宜志氏が講師として登壇し、聞き手に寄り添った、たいへんわかりやすい講義をしてくださいました。講義のゴールとして太田氏が設定したのは、まずはサステナブル経営がなぜ必要なのか理解すること。そして、その基本的な価値観であるSDGsについて知り、SDGsを経営へどのように活かすかを知り、取り組む気になってもらうことです。

◎サステナブル経営とは?企業が取り組む意義は?

太田氏によるレクチャーの様子

太田氏はまず、サステナビリティ経営について、「経済、社会、環境、そして自社の持続的かつ調和の取れた発展を目指す経営」と説明しました。これはSDGs研究会が提唱する定義ですが、太田氏の言葉で表現するなら「人にも地球にも優しい経営」。短期的な利益を求める資本主義の限界や、長引くコロナ禍で様々な転換が求められるこの時代にこそ、未来の人や地球のことを考えた、持続可能な経営を打ち出すことが求められているのだそうです。
実際に企業がサステナブル経営に取り組むことで生じるメリットとしては、企業イメージの向上によって人材がとりやすくなること、社会課題への対応によって地域からの信頼を得られることや、社内外で新しい繋がりが生まれることによる新しい事業機会の創出などが挙げられます。

◎サステナブル経営の3本の柱〜ヒト、ビジネスモデル、カネ

太田氏によるレクチャーの様子

これまでの経営における3本柱といえば、ヒト・モノ・カネというセットで語られることが多かったのですが、未来が見通しづらい21世紀は、モノよりもビジネスモデルが重要になってきます。そこでは、すでにあるものから考えるのではなく、顧客に与えたい価値から逆算して、ビジネスモデルおよび資源を検討するバックキャスティングの手法が有効だといいます。つまり、具体的に喜ぶ顧客の姿を想像し、「顧客価値」をデザインし、ありたい姿に転換するために何が必要かを考える。そうすることで、未来の顧客獲得につながるのだそうです。

◎サステナブル経営に取り組む4つのステップ

太田氏によるレクチャーの様子

さらにこの講義では、地域企業がサステナブル経営に取り組む4つのステップと、各カテゴリの具体例もあわせて示されていました。

①知る:SDGsセミナー参加・社員派遣 →社内勉強会開催
②わかる:経営理念・ビジョンの見直し →企業活動が与える影響への理解
③決める:価値創造・ストーリー作り →トップダウン・ボトムアップでのアプローチ
④動く:経営への統合 →レポート・WEBサイト等での発信

このように細分化して例示されたので、どの段階にいる企業でも、「今からはじめられる!」という意識を持てたのではないかと思います。

◎まとめ:サステナブル経営=新「三方よし」

太田氏によるレクチャーの様子

太田氏によれば、サステナブル経営とは新しい「三方よし」。つまり、ありたい未来からバックキャストして現状を再構築する「未来よし」。社会が今困っていることに対してアプローチしていく「社会よし」。そして、これまでのような大量生産・消費・廃棄といった線形経済から、資源を循環させる循環型経済へ移行することで実現する「地域から地球よし」。この三方よしを実現するための企業変革は一朝一夕でできることではないですが、共有価値として、サステナビリティやSDGsを置くことが有効なのだとお話しされました。
そしてサステナブル経営を成功に導く秘訣は、SDGsという国際的な目標をいかに自分事にできるか、だそうです。自分たちのやりたいことが、めぐりめぐって世界をよくしていると考え、自分から進んで取り組んでもらえるように、人と組織をマネジメントすることの重要性が共有されました。

次回のオープンゼミ基礎編は10月13日(水)19:00-20:30。「企業文化編」と題し、SDGsを実際の企業経営へ落とし込むための企業文化の構築方法について、さらに踏み込んだお話があります。こちらもぜひお楽しみに。

今回のレクチャーの様子はこちらのYouTubeからもご覧いただけます。

 

 

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