2021年7月30日
オープンゼミ 第一回開催レポートHILLTOP株式会社
レポート
オープンゼミ「サステナブル経営実践編①」開催!
7月20日(火)に、120WORKPLACE KOBE(同時オンライン配信)にて、オープンゼミ「サステナブル経営実践編①」を開催しました。ゲスト講師は、京都府宇治市に本社を構えるHILLTOP株式会社の山本昌作副社長です。1961年に「山本鉄工所」として従業員3名からスタートしたアルミ加工のHILLTOPは、今では東京や海外にも支社を持つ、従業員150名の企業に成長。世界中に顧客がおり、宇宙開発機関や米国の娯楽産業からも受注しています。この日は、「楽しくなければ仕事じゃない〜非常識な経営手法が企業を人を変える〜」という演題で、孫請けからスタートした会社が、大量生産システムから脱却し、人のクリエイティビティを大切にしながら進化し続ける様子と、その根本にある考え方について、テンポよく語ってくださいました。
ルーティーンからはずれたところに新しい知識やスキルが育つ
まずHILLTOPが他企業と大きく異なるところは、面白いものに挑戦し続ける姿勢をなにより大切にしているところです。普通の会社は、普段の仕事の範疇から外れるものはなるべく受けないものですが、HILLTOPは「面白いものにこそトライせよ」という姿勢をとっているそう。それは、ルーティーンからはずれたところに新しい知識やスキルが育ち、面白いことをやることで社員のモチベーションが上がると考えているためです。ずっと同じことであれば人がやる必要はないというHILLTOPの考えに基づき、人がやる価値のなくなった仕事や機械に任せられる仕事を自動化してきました。
HILLTOPが徹底した「作業のレシピ化」
もちろん、大量生産からの移行期にも様々な試行錯誤はあったといいます。大量生産のシステムの中で仕事を受けていたときには何度も必要なかった段取りが、少量・多品種を請け負うようになると増え、社員が段取りばかりに追われるようになってしまいました。しかし、その改善を積み上げた結果として、24時間無人稼動する加工機のシステムを開発。リピートオーダーに関してもHILLTOPでは、職人技をデータ化し、標準化したノウハウを活かした「作業レシピ」を作ることで、それを再現可能なかたちにし、2回目以降は誰もができる仕組みにしたそうです。そうすることでスピード感が売りになったばかりでなく、社員がクリエイティブなことに時間を使えるようにもなったのです。
「理解と寛容を以て人を育てる」
「理解と寛容を以て人を育てる」。この言葉は、HILLTOPの企業理念です。この企業理念を体現するかのように、お話中一貫して、副社長の社員に対する温かい眼差しと、社員の目線に立って物事を考える柔軟さが滲み出ていました。楽しさや面白さを追求することで人が育ち、会社も育ち、HILLTOPに依頼した顧客にとっても満足とともに新しい展開が開かれるという好循環。山本副社長の口から語られる破天荒ともとれる経営手法と、それがもたらす確かな結果を目の当たりにして、参加者からは「講師のイノベーティブなお考え、人を育てることを大切にされている姿勢に感銘を受けました」という感想や、「明日からもっと作業員を大切にしていきたいです」という声があがりました。
この日、司会を務めたのは、「いろどりのやま」の太田宜志さんと山田麻耶香さん。会場とオンラインのハイブリット開催にもかかわらず、双方からの声を拾いながらディスカッションを展開してくださり、有意義な会となりました。ありがとうございました。
撮影:Life Journey Inc.