2022年3月25日

オープンゼミ 基礎編レポート「SDGs をゲームで楽しく学び、未来にキックオフ!ワークショップ」

レポート

地域の課題解決に向けた実際のアクションを元に作られたカードゲームを用いて、「事業者、市民、行政による協働」を体感しながらSDGsを学ぶワークショップを開催。当日は、小学校2年生から企業の経営者まで、様々な人たちにご参加いただきました。世の中の課題はあらゆることに繋がっていて、一つの課題に一つの答えがあるのではない。だからこそ、いろんな人たちと力を合わせて、大きく複雑な社会課題に介入していくことの大切さを体感するようなセッションとなりました。

◎ゲームのゴールは、みんなで街を豊かにすること

ゲームの参加者は皆、同じ街の住民という設定で、「人口、経済、暮らし、環境」という4つの指標の数値をあげていくことを目指します。参加者にはそれぞれ、農家や飲食店の経営者、そして行政職員といった役割が事前に割り振られます。どんな活動でどう街に働きかけていくかは、参加者ひとりひとりに委ねられていますが、どんなことも一人では実行できません。たとえば「空き家を活用した、コワーキングスペースの設立」というアクションカードを実行するためには、スキルを持った人や、行政の支援、そしてお金など、いろんな人の協力が必要となります。ゲームの中でも、参加者同士で目的を共有しながら、街が豊かになるようなアクションをとっていきました。

豊かな街のための4つの指標

◎世の中の問題は複雑につながっている

参加者は、4つの指標を参考に、どんな行動から始めるかを検討します。しかし、その行動によってどんな効果が生じるのかは明かされていません。この行動が良い影響をもたらすのか、何も起こらないのか。はたまた、悪影響をもたらすのか。例えば、住民の暮らしやすさを高めるために「ショッピングモールの建設」をすると街の経済が低下したり、人口が増えるためにやったはずの施策が、環境問題を引き起こしたり。一つの課題にばかり囚われてまわりが見えなくなっていた、なんてことは、わたしたちの生活においても身近なことかもしれません。最初のレクチャーで言われた「全ての問題は繋がっていて、一つの解があるわけではない」という意味を、ゲーム中盤あたりから誰もが体感しはじめました。

ワークショップ中の会場の様子

◎協働によって、社会問題に介入していく

そして、このゲームでもっともリアリティがあるのは、何も具体的な施策を取らなければ、人口は着実に減少していくという点。まずはちゃんと結果につながるものを、と議論ばかりしていると、人口が減り、いろんなアクションカードが実行不可になっていき、気づいた時には何もできなくなっていた、という事態になってしまったのです。とにかくアクションを取ってみることの重要性に、ゲームの終盤になってみんな気づき始めたのです。そこから慌てて様々な施策を試みましたが、最終的には全ての指標が下がってしまう結果に。参加者からは「本当に悔しかった」との声も。しかし、だからこそゲームから得た学びも大きかったと思います。

このゲームは段々と要領が掴めてくるのですが、私たちの実際の暮らしにおいても、「そんなことは知らなかった」ではなく、より多くのアクションのなかで、問題の構造やつながりを捉えていくほかないのでしょう。難しいからと言って、問題を単純に捉えてしまうのではなく、その複雑な問題に積極的に介入していく。そんな大切さを、単なる言葉ではなく、体験を通じて実感するようなワークショップでした。

ゲームにご参加いただいたみなさまの集合写真

撮影:Life Journey Inc.

シェアする
  • Facebookロゴアイコン
  • Twitterロゴアイコン

最新のお知らせ

一覧はこちら