カネテツデリカフーズ株式会社
海の資源を"もっと"上手につかう未来
海の資源を"もっと"上手につかう未来

プロジェクトの概要

限りある海の資源を持続可能な状態で活用するため、需要がなくお金にならず廃棄される魚を有効活用する仕組みを構築中。

2024年04月時点

2期生インタビュー カネテツデリカフーズ

カネテツデリカフーズは98年の歴史をもつ魚肉練り製品メーカー。「サステナブルな海の資源活用をつくり出す」というパーパスを掲げ、新たな事業領域の開拓に取り組んでいます。そのなかで、需要がなくお金にならず廃棄される魚「未利用魚」に着目し、有効活用する仕組みを構築すべく、今年度はリサーチと実験を重ねてきました。2024年2月の神戸発表会では、めざましい進捗と今後のステップを披露してくださいました。

 

2024年2月の神戸発表会の様子

 

−現場を見て、現場の方と直接お話される中で、順調に進められる手応えが得られたのでしょうか?

高殿:そうですね。でも一方で問題も色々と明らかになってきました。まずどれくらいとれるのかがわからない。年間を通してまとまった量がとれない。そしてとれる時期が限定的など、いくつかの課題が浮かび上がってきました。

山田:ですので、漁獲時期や数量の情報を確認し、例えば5月はクロダイ、7月から8月はダツ、9月から10月はシイラというように、年間通して活用できるようにいくつかの魚種をピックアップする必要がありました。

高殿:そこでもう一つ大きな課題がありました。加工です。多くの水産加工場は人手不足に悩んでいるので、そもそも数量の少ない魚は敬遠される傾向があるのです。加工場探しはかなり難航しましたが、最終的に、なんとか県内で候補先を見つけることができました。

 

−調査からでてきた課題をひとつひとつクリアしていきながら、未利用魚活用への道を切り開いていかれたのですね。他方で、カネテツデリカフーズさんは多様な商品を世に出すことだけにフォーカスするのではなく、もっと大きな構想を抱いていると伺っています。具体的に教えていただけますか?

高殿:はい、私たちは未利用魚活用の「神戸モデル」を作っていこうと思っています。まずは未利用魚を加工業者でフィレや魚介エキスに加工する。そしてカネテツの工場やOEM委託先で最終加工する。そして出来上がった商品を消費者が購入する。そして消費者の「おいしい、もっと食べたい」という声を受けて、それを漁師につなげて、もっと未利用魚を取ってもらう。カネテツがこの業者全般を支える存在となることで、このモデルをサイクルの状態で実現し拡大していきたいと思っています。

 

−よくわかりました! それにしても「未利用魚」を活用した新しい商品が早速できあがっていて、もう売り始めていたことに驚きました!

山田:得意先様PB商品の他、3月からは未利用魚ノドグロのエキスを配合した「珍比良」、「いいちく MSC」も販売開始しています。今後も続々と商品をつくり続けていきたいです。

 

−エングローブがはじまってからわずか1年半ですごい進捗だと思いますが、エングローブに参加して一番印象深かったことは何でしょうか?

高殿:最初に驚いたのは、聞いたこともない言葉ばかり出てくることです。毎回ネットで調べて必死についていった感じでした。みなさんも、そういう言葉を使いながら状況を説明されていて、本当に驚きました。いろいろなことを知ってないとアイデアも出ないんだろうなと思いました。

 

−最初に参加したときは、今のアイデアはまったくなかったのでしょうか?

高殿:そうです。サステナブルなことを自分たちの事業領域から考えるということで、未利用魚が出てきました。

 

−クリエイティブパートナーの方とは、どのような対話をされましたか?

高殿:毎回出されるお題に対して、こういうふうに考えてみようか?とか、こういうアプローチだったらどうか?という提案をしてくれて、課題に対して答えにまっすぐ突き進むだけではなく、視点を変えてくれたりしました。そこはたいへん勉強になりましたし、自分たちの取り組みがここまでいけたのは、チームの方々のおかげだと思っています。

山田:異業種の方とチームを組むのはいいなと思いました。私たちはずっと練り物のことばかりやっているので、異業種の方との対話での気づきが多かったのです。

 

−今年はカネテツさんの社内でどんどん進めて成果に結び付けられましたが、今後また、パートナーの方に関わっていただくフェーズはありそうでしょうか?

高殿:そうですね。今後うちの商品の認知を拡大していくフェーズで、もっとお客さんに手に取ってもらうにはどういう戦略がいいのかなど、色々とお力を借りられればと考えております。

 

−初年度が終わった頃には、2年目に進むのにためらわれているような感じが見受けられましたが、実際はどうだったのでしょうか?

高殿:その頃はまだやってもいなくて、実態が見えていませんでした。空想を語っている感じだったんですよね。だから本当にこれでいいのかと迷いがありました。でも始めてみたら、月を追うごとに「できるかな」という手応えが出てきました。

山田:1年目はなかなかやることが決まらなくて結構苦しかったのですが、やるべきことが見えたら楽しくなりました。自分たちで動き、たくさんの現場の方と関わり、調査を進め、充実した2年目になりました。

 

−今年度は、漁師の方へのインタビューなど、複数の現場に足を運ばれていましたが、そういうことはこれまであまりなかったのでしょうか?

高殿:はい、まったくありませんでした。一度、去年の発表会で、同じ2期生の垂水重機の水上社長が、「それで、もう現場には行ったの?」と問いかけてくれたのがすごく響いて、自分たちの行動に繋がりました。実際にいくと、調べたり聞いたりするのと全然違いました。これをどうにかしたいという思いに繋がりました。

 

−お二人が会社の外に出て楽しそうに動かれることで、社内にも良い影響はあったのでしょうか?

高殿:なんだか楽しそうなことやってるねとか、漁師さんになるの?!という反応をもらったりしました(笑)他の人たちにも刺激になっているみたいです。また、社内で3月にプレゼンする機会を得ました。社内での理解を得られれば、もっと大きな取り組みになって、事業を加速していけそうなんです。そうすれば、モデルの実装に近づくことができます。

 

それはますます楽しみですね。カネテツさんの活動によって、捨てられていた魚に価値が生まれ、活用されていく未来がぐっと近づいてきますね。まずは神戸モデルの完成を心より応援しています。

 

第2期生
カネテツデリカフーズ株式会社

プロジェクトの概要

限りある海の資源を持続可能な状態で活用するため、需要がなくお金にならず廃棄される魚を有効活用する仕組みを構築中。

これまでの活動

  • 2022.08
    プロジェクト・エングローブ参加
  • 2023.01
    東京発表会
  • 2023.02
    各地漁港や漁協に訪問し現状調査開始
  • 2023.05
    加工場をリサーチ開始
  • 2023.09
    社内プロジェクト化し新商品開発開始
  • 2024.03
    自社製品に未利用魚原料の使用をスタート

MEMBERS

  • 高殿晃平
    高殿晃平|カネテツデリカフーズ
  • 山田将弘
    山田将弘|カネテツデリカフーズ
  • 白樫雄一
    白樫雄一|カネテツデリカフーズ
第2期生
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